注:このページも絵が多いですぜ(約240kB)

その1<

大阪初! 銭湯背景画の公開製作 (その2)



休憩ちう

休憩時間に入り、絵師も一服して雑談などしておられます。

“自然体”という感じで、いいですね〜。

右上では、町田氏へのインタビュー&サイン攻撃が行われている模様です。

私も「銭湯読本」を持参してサインを頂こうかと思ってたんですが、

あわてて準備して出てきたのですっかり忘れてしまいました。


再開です

5時過ぎから、製作再開です。

今度は細筆で、てっぺんの雪帽子に紫色の影をつけてゆきます。

これだけで、富士の存在感がぐぐっと引き立って来ます。


ぞうきん

出ました、秘技「ぞうきん叩き」!

白ペンキにつけて丸めた雑巾で、画面をどんどんどんと叩くように塗ってゆきます。

これもまたハイスピードで、ばしばし行っちゃってます。

映画の大道具でこういうことをやると聞きますが、やはり大画面どうし似てるんですかね。


ぞうきん雲

そして、見よ、この質感!

写真では光でつぶれてしまいましたが、左上の積雲なんかは実写と見違えるほどの臨場感です。

ちょっと余談ですけど、絵というのは面白いもんで、こうやって斜めから見ていても

富士は正面に見てる感じがしますよね。これが子供の頃から不思議でした。


小松

雲ができあがったところで、次は手前の左右の島に松の木を配置します。

町田氏の解説では、「松」は富士の絵には欠かせない要素なのだそうです。

たしかに、松の木があるだけで日本の空気が濃厚に感じられますよね。

緑の葉をさらさらと描き加えて、画面もいっそう華やかになってきました。

と、ここで中島絵師、再び茶色の塗料を取り出すと…


大松

どどーん、とでかい松の幹を2本追加!

再開後しばらくはおとなしく鑑賞しておられた町田氏も思わず

「うおっ!!」とでかい一声。 場内もどよめき。

おいおい、さっきの松の3倍以上やで。

町田氏が「中島さん、これ大丈夫ですか??」とツッコミを入れますが、

絵師は悠然と受け流して「大丈夫大丈夫」みたいな感じで筆を(刷毛を?)進めます。


大松+

例のごとく、無造作迷いのない筆さばきで濃緑の松葉を書き入れると、

ほーら立派な松の木になってくれました(笑)。

それどころか、2種類の松の醸し出す遠近感が画面に奥行きを与え、

最も遠くにある富士山の雄大さをさらに引き立てる効果を生みだしています。

いやー、お見事。


さらに、松の幹に薄茶色の塗料を重ねてゴツゴツ感を出し、

主な素材は完成!です。(ここは写真を撮り損なってしまいました)


ちぇっく

ここで絵師が脚立を降り、後方からちょっと手をかざして出来映えを確認。

と言ってもたった5秒ほどのことで、ほとんど儀式みたいな感じでした。

思えばこの制作の間、絵師は全体を確認するようなことはほとんどしておられません。

お話では、絵師はご自分で何度も富士を見に行ってイメージを作っておられるそうで、

「頭の中では、描く前から富士はできあがっている」みたいなことを

おっしゃっておられました。カッコイ〜。


ホテル

全体はできあがったので、あとは小物をいくつか置いていきます。

右の丘に、赤屋根の白いホテルがぽつぽつと建っていますね。

さらにこの後、湖の右下にアベックの乗るボートを浮かべて、ぶじ完成!

この絵では青や緑の部分が多いので、こういう赤の要素がワンポイントに欠かせないとのこと。

町田氏はむかし油絵をやっておられたそうで、そうした眼での解説も面白かったです。


署名

最後に、きょうの日付と「ナカジマ」の署名を入れて…


本栖湖

舞台である「本栖湖」の字を描き加えて、できあがりです。

そう、さっきの問題の答えは本栖湖、すなわち「5千円札の裏の絵」なんですね。

なんつって、絵師がそうおっしゃったので、私も初めて知りました。

ほんとに同じ絵なので、財布を出してご覧ください。


中島絵師の「できました」の声に、観客から大きな拍手がわきおこりました。

中島絵師、町田博士、たいへんお疲れ様でした〜。

また、貴重な機会をご提供くださった「みどり温泉」さん、本当にありがとうございました。

この後は、雑談したり記念撮影をお願いしたりしつつ、三々五々解散となりました。


§

終わってみれば、あっという間の2時間でした。

この内、作成にかけられた時間は実質1時間半ぐらいと思います。

それでこんな見事なペンキ絵ができてしまうのですから、まさに職人芸ですね。

今日は女湯でしたが、実は男湯のほうにも富士山があり、こちらも見せていただくことができました。

もちろん同じ絵というわけではなく、西伊豆から海越しに見た富士という設定で、こちらも見事なものでした。

町田氏のおっしゃるには、男湯・女湯の両富士というのはとても珍しいのだとか。ぜいたくですね〜。

「みどり温泉」さんは土曜日からリニューアルオープンらしいので、また一度来なければ…。


ちなみに、地下鉄長居からバスで行こうという方は、バス乗り場にちょっと気をつけましょう。

44系統の乗り場は、長居駅の交差点のすぐ近くではなく50mほど東にあるほうのバス停です。

あと、時々間隔があくので、一応時刻表を見ていった方がいいかも。

回数カード乗り継ぎで100円で乗れるので、バスが一番楽かな?と思います。




署名

職人ご用達、画材の数々! ケロリンおけに空き缶、段ボール(笑)


署名

男湯側、西伊豆からの富士の図。…の写真も撮ったんですが、思い切りお客さんがかぶってたので割愛:

(こちらの画像を撮られた方、もしよければご提供くださいませ_(._.)_)


署名

みなさん次々に記念撮影。私も、あとでお2方と並んで撮らせていただきました♪


署名

養生を外す中島絵師。こんな細いテープだけで行けるんですね。


ほかにもペンキ絵葉書の即売などがありましたが、予想外の人出だったのか、あっという間に売り切れでした。

ともあれ、なかなか充実の一日でした。会社休んで来てよかったぜい(笑)





◆メディア関連メモ

朝日TVは、当日製作時間中に放映したとのこと。見逃してしまった:

毎日TV 10月8日(水)VOICE 18時46分〜49分
「湯けむりに浮かぶ絶景」
 ご主人があの若い男性だったというのにビックリ。
 私は当日すぐそばにおりましたが、学生さんだと思ってました(失礼!)。

朝日新聞 10月8日(水)朝刊28面(大阪市内版)
「末広がりの夢込め富士山 東住吉の銭湯」
 写真が1枚と、簡単なレビュー記事です。

他にもあるかな?

月のゆ風呂・銭湯>銭湯背景画その2